タバコのお口への害
タバコは色々な点で歯周病を悪化させてしまいます。まず、歯周病に気づきにくくなります。
歯の根元に付着したプラークが原因でその周りの歯ぐきに炎症がおき、歯ぐきが腫れたり出血します。進行すると、歯ぐきの下のあごの骨も吸収されていき、やがて歯が抜けてしまいます。
歯ぐきの中には微細な毛細血管が張り巡らされていて、血流に乗って酸素や栄養が運ばれています。しかし、ニコチンや一酸化炭素などの作用で歯ぐきの毛細血管が収縮し、歯ぐきへの血流が減少します。そうすると歯ぐきが腫れにくくなり、出血もしにくくなります。一見いいことに思いますが見かけだけのことで内部ではしっかり歯周病が進行しています。なので気づくのが遅くなり自覚したときには悪化していることが多いです。
次に歯周病が悪化しやすく治りにくいです。
歯周病になると細菌の攻撃に対抗するため、からだは炎症の起きている歯ぐきに栄養や酸素、免疫物質を運ぼうとさかんに血液を送ります。ですがニコチンやコチニンが免疫機能に作用して、細菌への防御を弱めたり、血中の酸素不足により酸素が嫌いな歯周病菌の活動が活性化し、歯周病を悪化させてしまいます。実際にタバコを吸っている人は歯周病が10年早く進行すると言われています。
せっかく治療をしても、血流が低下して酸素や栄養が運ばれにくくなるということは損傷した組織の治りが悪くなる、だから歯周病の治療効果も上がりにくくなります。それに、タールによりプラークが固く付着しやすくなって虫歯ができたり、歯ぐきへの着色も起こります。
タバコはからだに悪い。これは常識ですが、皆さんが思っている以上にタバコには害があります。
禁煙の第一歩は、タバコの事をよく知ることからです!