毎日歯磨きしていたのになぜ私が歯周病に
何年かぶりに歯医者さんに行って、この歯、歯周病になっていますよと言われたあなた。歯磨きは毎日していたはずなのに今まではなんともなかったのにと疑問に思われてはいませんか。歯周病になってしまったときなぜなってしまったのか。歯医者さんで治療を始める前にこれをしっかり理解しておくことが大事です。
歯周病は端的に言うとプラークの攻撃力と歯ぐきの抵抗力の力関係で発症するかどうかが決まります。プラークの攻撃力が高まり、歯ぐきの抵抗力とのバランスが崩れたときに発症するのです。歯周病の一番の原因は長い間磨き残されたプラークです。しっかり磨いているつもりでも歯ブラシの毛先がうまくプラークにあたっていなかったところがあったのかもしれません。磨き残されたプラークは、時間とともにその攻撃力を高めていきます。そうしたプラークを落とすには歯科医院であなたの歯並びにあった歯ブラシの動かし方、フロスや歯間ブラシの使い方を教えてもらうのと、自分では取り切れないプラークを定期的に除去してもらうことが大切です。
加齢や肥満、糖尿病などの全身の病気によって歯ぐきの抵抗力は落ちていきます。若いときは多少磨き残しがあっても問題は起きませんが、歳を重ねるにつれ、若いときと同じセルフケアでは、プラークの攻撃力に歯ぐきの抵抗力が負けてしまうこともあります。歯医者さんは痛みや異常のないときから定期的に通い、歯周病の兆候がないか診てもらうのがとても重要です。そしていまのお口や体の状態に合ったセルフケアのしかたを教えてもらいましょう。
生活習慣のなかでも、歯周病の非常に大きいリスク要因となるのが喫煙です。歯ぐきの抵抗力を減らし、プラークの攻撃力を増やします。喫煙者は歯周病が10年近く進むというデータもあります。
歯周病菌がお口の中に入ってこないようにするのは至難の業です。それよりも歯周病が発症しないように歯磨きやフロス、歯科受診をかかさないようにすることが大切です。