奈良県葛城市の歯医者 いまもと歯科クリニック 歯科医師 院長の今本裕紀です。
最近、インプラント治療を希望する患者さんが増えています。しかし、時には歯科医からインプラント治療を断られるケースもあります。今回は、その理由と対策、さらにはその他の治療法について詳しく解説します。
目次
- インプラント治療とは?
- インプラント治療が断られる理由
- インプラント治療を受けるための対策
- 他の治療法:ブリッジと義歯
- 最後に
1. インプラント治療とは?
インプラント治療は、失った歯を補うために人工歯根(インプラント)をあごの骨に埋め込む手術です。この方法は、天然の歯に非常に近い感覚と機能を提供します。インプラントは通常、チタン製であるため生体適合性が高く、骨としっかり結合します。このため、しっかりとした食事や話し方が可能になるだけでなく、見た目も自然です。治療期間は患者さんによりますが、手術から完了までおよそ3~6ヶ月とされています。費用も11万から30万円ほどかかることが一般的です。
2. インプラント治療が断られる理由
インプラント治療を断られる主な理由は以下の通りです。
・骨の不足
インプラントを埋め込むためには、十分なあごの骨が必要です。骨が不足していると、インプラントがしっかり固定されず、成功率が低くなります。歯周病の進行や骨吸収が原因で骨が痩せてしまった場合、インプラントの実施が困難です。
・全身の健康状態
糖尿病、高血圧、心臓病などの全身疾患を持つ患者さんは、手術中や手術後のリスクが高くなります。そのため、こうした健康状態の管理が難しい患者さんには、インプラント治療が適さないことがあります。
・口腔衛生の不良
インプラント周りの歯茎が健康でないと、インプラントが成功する確率が低下します。特に、口腔衛生が悪い場合や喫煙習慣がある場合、インプラントがインフェクション(感染症)などによって失敗するリスクが高まります。
3. インプラント治療を受けるための対策
もしインプラント治療を断られたとしても、諦める必要はありません。以下の対策を検討してみてください。
・骨補填手術
骨が不足している場合、骨補填手術(骨移植)を受けることで、骨の量を増やすことができます。これにより、インプラントが可能になることがあります。ただし、この手術にも時間と費用がかかるため、歯科医とよく相談することが重要です。
・健康管理
全身の健康状態を改善することができれば、インプラントが受けられる場合があります。例えば、糖尿病のコントロールをしっかり行う、血圧を管理する、喫煙をやめるなどが考えられます。これにより、手術のリスクを低減し、インプラント治療が可能になることがあります。
・口腔衛生の改善
歯茎の健康を取り戻すためには、定期的な歯科検診とクリーニングが必要です。特にプラークや歯石の除去を行い、衛生状態を改善することで、インプラントの成功率を高めることができます。歯科医と一緒に適切なブラッシング方法やフロスの使い方を学ぶことも重要です。
4. 他の治療法:ブリッジと義歯
インプラントが難しい場合には、他の治療法を検討することが必要です。代表的な選択肢として、ブリッジと義歯(入れ歯)があります。
・ブリッジ
ブリッジは、失った歯の隣の健康な歯を削って支えにし、その間に人工の歯を取り付ける方法です。この方法ならば、インプラントを必要とせずに失った歯を補うことができます。しかし、隣の健康な歯を削る必要があるため、これがデメリットとなります。
・義歯(入れ歯)
部分義歯や総義歯も選択肢として利用できます。義歯は、取り外しが可能であるため清潔に保ちやすく、比較的費用が低いという利点があります。しかし、慣れるまでに時間がかかることや、食べ物の咀嚼が困難になることがあります。
5. まとめ
インプラント治療は、失った歯を補うための非常に優れた方法ですが、骨の不足や全身疾患、口腔衛生の問題などで断られることがあります。しかしながら、骨補填手術や全身の健康管理、口腔衛生の改善などの対策を講じることで、インプラント治療を受けられる可能性が高まります。また、インプラント以外にも、ブリッジや義歯といった選択肢もあります。自分の健康状態やライフスタイルに合わせた最適な治療法を選ぶために、歯科医としっかり相談することが大切です。
ぜひ、インプラント治療に関する疑問や不安がある方は、当院にご相談ください。経験豊富なスタッフが、あなたの健康を第一に考え、最適な治療方法を提案いたします。