
みなさんこんにちは。
奈良県葛城市の【いまもと歯科クリニック】です。
歯周病は、初期の段階では歯ぐきの腫れや出血などですが、悪化すると、顎の骨も溶かしてしまう怖い疾患です。
一度、顎の骨が減少してしまうと、自然に戻ることは難しく、再生療法などの治療が必要です。
そこで今回は、歯周組織再生治療の内容や治療の流れについてご紹介します。
目次
■歯周組織再生療法とは
歯周組織は歯を支えている周りの組織で、歯周病が悪化し重度になると、顎の骨などの歯周組織を破壊します。
すると、歯を支えている骨の部分が少なくなり、歯がグラグラして、最悪の場合抜け落ちてしまうこともあります。
歯周組織再生療法は、その破壊された組織が再生するように促す治療です。
◎GTR法
顎の骨が失われた部分では、骨よりも歯肉の方が早く回復する性質があります。本来骨になるはずの部分に歯肉が入り込んでしまうため「メンブレン」という特殊な膜で覆い、歯肉が入り込まないようにした状態で、歯周組織の再生を促します。
◎エムドゲイン
歯ぐきを小さく切開して、歯石や汚れを丁寧に除去し清掃します。
歯根面がきれいになったら、エムドゲインゲルを塗布して縫合します。(骨の欠損が多い場合は、骨充填剤を入れることもあります。)
エムドゲインは、2002年に厚生労働省の認可を受けている治療で、数多くの症例がありますが、保険が適用になりません。
◎リグロス
リグロスもエムドゲインと同じように、歯ぐきを切開して、歯石や汚れを丁寧に除去し清掃します。
歯根面がきれいになったら、リグロスを塗布して縫合します。
エムドゲインとの違いは、リグロスは保険適用になる点と、骨の欠損の仕方によっては適用にならない場合があります。
■歯周組織再生療法のメリット
◎抜歯を回避できる可能性がある
顎の骨が減少してしまうと歯を支えることができず、噛むと痛みが出る場合があります。
重度の歯周病で顎の骨を大幅に失っている場合は、抜歯を検討しなければならないこともあります。
歯周組織再生療法を行うと、顎の骨の再生を促すことができるため、抜歯を回避が期待できます。
◎審美性の改善が期待できる
重度の歯周病になると、歯ぐきから出血したり、腫れていたりする場合があります。
また、歯ぐきが下がることで、歯が長く見えてしまう場合もありますが、歯周組織再生治療を行うことで、審美性の改善も期待できます。
■歯周組織再生療法のデメリット
◎適用にならない場合もある
歯周組織再生治療は、広範囲に大幅に顎の骨を失っている場合には、適用にならないこともあります。
また、もちろん治療には尽力していますが、症状によっては顎の骨が完全に元通りにならないという方もいらっしゃいます。
治療を受ける前は患者さんによく説明させていただきますので、ご納得いただいた上で治療をスタートしましょう。
◎費用の負担がある
歯周組織再生治療の中でリグロスは保険適用になりますが、状態によってはリグロスが適応できず、エムドゲインが適応になることもあります。治療は自由診療のため、歯科医院によって費用は異なりますが、費用が高くなる傾向があります。
■歯周組織再生療法の流れ(エムドゲイン・リグロス)
STEP1 麻酔・歯ぐきの切開
手術部位に麻酔をしてから、歯ぐきを切開します。
STEP2 歯根面についている歯石や汚れの除去
歯根面に付着している歯石や汚れ、必要に応じて肉芽組織を除去します。
STEP3 薬剤の注入
歯根面をきれいに清掃してから薬剤を注入します。
STEP4 縫合
傷口を縫合します。
■歯周組織再生療法をご希望の方はご相談ください
歯周病が悪化して顎の骨が減少すると、自然に元に戻ることはありません。
歯周病が安定するように歯周病治療をすることはできますが、グラグラして噛めないような状況の場合、抜歯が検討されることが一般的です。
歯周組織再生療法は、歯周病で悪化した歯周組織の再生を促せる治療です。
状態によって適用可否がありますが、まずは諦めず、お気軽にご相談ください。