治療した歯が再びむし歯に?二次う蝕の原因と予防
治療をした歯がまたむし歯になってしまった、という経験はありませんか?このような、治療済みの歯に再びできてしまったむし歯を「二次う蝕(二次カリエス)」といいます。詰め物やかぶせ物などの下や周囲にできるため、せっかくしてある治療がダメになってしまったり、気がついたときにはひどく広がっていて抜歯が必要になってしまうこともある、やっかいなむし歯です。二次う蝕の原因と予防について知り、治療の繰り返しから抜け出しましょう。
二次う蝕は、古くなった詰め物やかぶせ物のまわりにできた小さな隙間に、細菌や細菌の出す酸が入り込み、歯のカルシウムが溶ける(脱灰)ことが原因で起こります。詰め物やかぶせ物の陰に隠れて進行するため、患者さん自身では気づきにくいのが特徴です。睡液の機能によって酸が中和され、睡液の中のカルシウムが十分に歯に取り込まれると歯は自然に修復されるのですが、細菌と酸が多くて唯液の修復作用では追いつかなくなると、脱灰が進んでしまうのです。
二次う蝕に対して、治療していない歯がむし歯になったものを「原発う蝕」と言います。 40代からシニア世代では「原発う蝕」の治療より「二次う蝕」、つまりやり直しの治療が断然多くなります。目立って増えてくるのが30〜40代以降で、若い頃に詰めてもらったものが、10数年経って詰め物と歯との継ぎ目などに劣化を起こし、そこに二次う触ができてしまいます。
詰め物の下にできた二次う蝕
では、どのような予防方法があるのでしょうか。 健康な歯のみならず、治療した歯を治療直後のよい状態で長持ちさせるには、むし歯になりにくい状態へとお口の中を変えていくことが大切です。せっかく治療しても、お口の中がむし歯になりやすい状態のままでは、しばらくたつと今度はデリケートな歯と修復物の継ぎ目周辺に新たなトラブルが起きます。 「治療をしたからもうこれで大丈夫」と油断せず、セルフケアの指導を受け、定期的にメインテナンスに通ってお口を清潔に保つことが必要です。必要な治療が終わった後は、その治療を長持ちさせて新たな治療が必要にならないよう、ずっと快適なお口でいるために定期的なメインテナンスをはじめましょう。