インプラント治療:骨がない場合の対応策|いまもと歯科クリニック|奈良県葛城市の歯医者

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インプラント治療:骨がない場合の対応策

奈良県葛城市の歯医者 いまもと歯科クリニック 歯科医師 院長の今本裕紀です。


歯を失った場合、その部分に人工の歯根であるインプラントを埋入する治療が一般的です。しかし、インプラントを希望する多くの患者さんが直面する問題の一つに「骨がない」、つまり顎の骨の量が不足しているというケースがあります。このブログでは、インプラント治療を希望される方々に向けて、骨がない際の対応策や治療方法について詳しく説明します。


目次

  1. インプラント治療とは
  2. 顎の骨が不足している理由
  3. 骨の不足に対する治療方法
  4. 骨造成のメリットとデメリット
  5. 治療期間や費用について

1. インプラント治療とは

インプラント治療は、失った歯を補うための方法の一つで、人工の歯根(インプラント)を顎の骨に埋め込むことで、再び歯を持つ感覚を取り戻すことができます。取り外しが不要で、自分の歯のようにしっかりと噛めるのが大きな特徴です。しかし、インプラントを埋入するためには十分な顎の骨量が必要です。骨がしっかりしていないとインプラントが安定せず、失敗する可能性が高くなります。


2. 顎の骨が不足している理由


顎の骨が不足する理由はいくつかあります。まず、歯が抜けたまま長期間放置しておくと、その部分の骨は使用されなくなるために自然に減少します。また、加齢、歯周病、外傷なども骨を失う原因となります。さらに、全身の健康状態や既往歴、喫煙などの生活習慣も骨の量に影響を及ぼします。


3. 骨の不足に対する治療方法


骨が不足している場合でも、さまざまな方法でインプラント治療が可能です。代表的な方法に「骨造成」があります。


  1. 骨移植(オートグラフ):患者自身の骨を他の部分から採取して移植する方法です。特に顎の骨や腸骨が利用されます。自分自身の骨を使用するため、拒絶反応が少なく、高い成功率が期待できます。
  2. 骨補填材の使用:人工的に作られた骨補填材(オールグラフトや合成骨)を使用して不足分を補う方法です。これも成功率が高く、患者の負担が少ないのが特徴です。
  3. サイナスリフト:上顎の骨が不足している場合に行われる手術で、副鼻腔(上顎洞)を持ち上げてその空間に骨補填材を挿入します。
  4. GBR(Guided Bone Regeneration):特殊な膜で骨の成長を促進し、骨の再生を図る方法です。インプラント埋入前に行うことが多いです。

4. 骨造成のメリットとデメリット


  1. メリット

– インプラントの成功率が向上:骨がしっかりしていることで、インプラントが安定しやすく、長期間使用できるようになります。

– 自然な噛み心地:補充した骨によってインプラントがしっかり固定されるため、天然歯に近い感覚で噛むことができます。

– 全体的な口腔健康の向上:骨が再生することで、他の歯や歯茎の健康も保たれます。


  1. デメリット

– 手術のリスク:骨移植やサイナスリフトなどの手術には、感染症や神経損傷のリスクがあります。

– 治療期間が長い:骨造成を行うことでインプラント治療全体の期間が1年以上に延びることがあります。

– 経済的負担:骨造成の手術は高額になることが多く、健康保険が適用されない場合もあります。


5. 治療期間や費用について


骨造成を含むインプラント治療は、個々の状態によりますが、一般的には6ヶ月から1年以上かかることが多いです。まず骨造成を行い、その後、数ヶ月の治癒期間を経てインプラントの埋入手術が行われます。


費用については、地域や歯科医院によりますが、一般的なインプラント費用に加え、骨造成の費用が数十万円程度追加されることがあります。具体的な費用は事前に歯科医院で相談し、見積もりを取ることが重要です。


まとめ


インプラント治療を希望する際に骨がない場合でも、さまざまな対策が存在します。骨造成を行うことで、インプラントの成功率を高め、より健康的な口腔環境を保つことが可能です。しかし、その反面、治療期間の延長や経済的負担などのデメリットも存在します。治療を検討する際には、信頼できる歯科医師としっかりと相談し、自分に最適な治療プランを選ぶことが大切です。歯科医院を選ぶ際は、インプラントの経験が豊富な医院を選ぶことをおすすめします。