糖尿病と歯周病の関係
お口の健康は、毎日の食事や会話にもつながるとても身近なものです。 みなさんは、以下のようなお口のトラブルを自覚することはあるでしょうか? ✓ ハブラシの時に出血する ✓ 朝起きたときに歯肉に違和感がある ✓ 口臭を指摘された ✓ 歯肉が下がって、歯が長く見えるようになった ✓ 体調が悪くなると歯肉が腫れる ✓ 歯の揺れを感じることがある
「歯周病」には、炎症が歯肉に限局した「歯肉炎」と、歯を支えている歯槽骨が破壊されて歯を失ってしまう「歯周炎」があります。 上の症状が複数当てはまると、「歯周炎」の可能性が高く、歯科医院での治療が必要となります。 歯周病は糖尿病と相互に悪い影響を及ぼします。
歯周病があると、どうして血糖値が高くなるの?
なぜ、歯肉の炎症である歯周病が糖尿病に関わってくるのでしょうか。出血や膿を出しているような歯周ポケットからは、炎症に関連した化学物質が血管を経由して体中に放出されています。 中等度以上の歯周ポケットが口の中全体にある場合、そのポケット表面積の合計は掌(てのひら)と同じ程度と考えられています。歯周ポケットの中身は外からはなかなか見えませんが、手のひらサイズの出血や膿が治療なしで放置されていると考えると、からだ全体からも無視できない問題であることが理解できると思います。 ポケットから出て血流にのった炎症関連の化学物質は、体のなかで血糖値を下げるインスリンを効きにくくします(インスリン抵抗性)。そのため、糖尿病が発症・進行しやすくなります。
歯を失わないということは、生活の質を直接低下させないだけでなく、生活習慣病や認知症などの予防や管理にも深く影響してきていることが明らかになってきています。歯周病コントロールのためには、歯科医院での予防的なケアや専門的なアドバイスを受けるのが有効です。