ロイテリ菌で虫歯を予防!
口の中には歯周病の原因となる歯周病菌や、虫歯をつくるう蝕菌やミュータンス菌といった悪玉菌もすんでいます。善玉菌が多ければ日和見菌が味方してくれるので、悪玉菌の勢いはそれほど強くはなりません。
子どもの虫歯は多いものですが、歯のない乳児の口の中には悪玉菌がすみつけないうえ、母乳を飲んで善玉菌を補給しているので、常在菌のほとんどは善玉菌が占めており、虫歯の心配はありません。
歯が生えてきて、大人と同じ食事をするようになると、口の中にもいろいろな菌がすみつきます。この頃に善玉菌と悪玉菌が口腔内で勢力争いをしながら、細菌バランスがだんだん決まってきます。
そして、腸と同様に口腔内の細菌バランスも生後1~2年でほぼ決まり、大人になってもほぼ変わりません。だから乳児期にどれくらい善玉菌をとっているかが重要になるのです。
口腔内の善玉菌が多いと虫歯や口臭が少なく、悪玉菌が多いと虫歯が増え、口臭がきつくなることがわかっています。大人になって体調が悪いときに口の中がネバネバしたり、口臭が強くなったりするのは、善玉菌が一時的に減少するからです。ロイテリ菌は悪玉菌を攻撃するパワフルな善玉菌です。広島大学歯学部で40名の歯科衛生士を対象にして、ロイテリ菌を2週間、継続して摂取し、唾液の中のミュータンス菌を調べると、約3分の1から5分の1に減少していました。ロイテリ菌に虫歯の原因菌の発育を阻害し、駐遂する効果があることは間違いありません。
試験管内でロイテリ菌と虫歯菌を3対1で混ぜると、虫歯菌の約90%の発育が抑制されたという報告もあるので、驚異的な効果です。
歯みがきをすると、「せっかくとったロイテリ菌がなくなるのでは」と、心配する声もありますが、ふつうの歯ブラシで歯磨きをしてもロイテリ菌の虫歯減少効果は失われません。ロイテリ菌をとりつつ、歯磨きも行い、虫歯を予防しましょう。