
こんにちは、奈良県葛城市歯医者いまもと歯科クリニック歯科衛生士の中本です。関節リウマチはどんな病気?
関節リウマチは免疫の以上が背景にあって起こる全身疾患です。免疫とは細菌やウイルスなど外から入ってくる異物から身体を守る、非常に重要な生体防御システム。その働きの基本は自分(自己)と自分でないもの(非自己)を見分けることにあり、非自己と判断したものを攻撃します。ところが、何らかの原因で自分の中にもともとあるもの(自己)を異物(非自己)だと見誤って攻撃してしまうことがあります。これを自己免疫異常といい、関節リウマチの場合では関節を取り巻いている「滑膜」がその標的になります。
異物だと間違って認識された滑膜には炎症細胞が集まり、攻撃が始まります。滑膜に炎症が起こると、関節は赤く腫れあがって、熱を持ち、痛みを生じます。これが関節の炎症です。炎症のかたまりが関節を構成している軟骨や骨を蝕んでいくと関節は本来の形が壊れ、変形してしまいます。こうした関節破壊が進行すれば、もとの状態には戻せなくなるのです。
関節リウマチnの人は歯周病になりやすい?
関節リウマチと歯周病とは双方の関係性があり、歯周病の人は関節リウマチを発症しやすく、関節リウマチの人は歯周病になりやすいことがわかっています。
歯周病原因菌のPg菌(Porphyromonas gingivalis)はアルギニンというもともと体内にある蛋白をシトルリン
という物質に変化させることで知られています。それを異物としてつくられる抗体が、関節リウマチの診断に有用な抗CCP抗体です。この抗体が身体のあちらこちらで、シトルリン化蛋白に対してどんどん炎症反応や免疫異常の反応を引き起こします。つまり歯周病が原因で免疫異常が惹起されて、それが関節の炎症に結びついてしまうのです。
逆に、関節リウマチの人が治療薬などで免疫力が低下していれば、容易に歯周病を併発しやすくなります。また、関節症状が進行すれば歯磨きなどが難しくなり、口腔内の清掃が保たれずに歯周病が悪化することもあるでしょう。さらに関節リウマチではシェーグレン症候群という唾液分泌を低下させる膠原病を合併することもしばしばあり、口腔内衛生が一層保ちにくくなります。悪循環に陥らないよう歯周病は悪化させず、きちんと管理することが大事なのです。
記事監修者
いまもと歯科クリニック歯科医師 今本裕紀
【経歴】
- 四天王寺中学校卒
- 四天王寺高校卒
- 大阪大学歯学部卒
- 勤務医を経て2010年「いまもと歯科クリニック」を
奈良県 葛城市北花内にて開院
いまもと歯科クリニックでは、むし歯や歯周病などの治療はもちろん、インプラントや分子栄養療法といった治療まで幅広く対応しています。お口の健康と心からの笑顔を地域のみなさんに届けできるよう、最善を尽くしております。
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