だ液の正体
当たり前に私たちの口の中にある唾液。唾液は透明な液体なので、水分が姿を変えたものだと思っている方もいるかもしれませんが、唾液はもともと血液です。水分を摂取すると、胸骨や肋骨にある骨髄で血液が作られ、その血液が唾液腺で唾液へとつくりかえられます。水を飲んですぐに唾液になるのではなく、1度血液になってから唾液になるのです。
唾液には、お口の中を清潔に保つ、粘膜を守る、お口の中を中性に戻す、歯を補修する(再石灰化)、細菌感染から守る、細かく噛んだ食べ物をまとめる、消化を助ける、味を感じさせるなど、お口の中だけでも様々なはたらきがあります。からだへのはたらきとしては、感染症の予防、食道・胃の粘膜の保護なだがあります。お口の中だけでなく、からだへも様々なはたらきがある唾液ですが、唾液がその力を発揮するには、お口の中にある程度の唾液の量がないといけません。
唾液の量が減少する主な原因としては、脱水、薬の副作用、加齢などがあげられます。唾液の量を増やすコツは、水分を摂る、よく噛んで食事をする、唾液腺のマッサージをするなどがあげられます。
これらのことを実践してみて唾液の量が増やせたら、次は唾液の質にもこだわってみましょう。唾液には抗菌作用のある物質がたくさん入っていますが、IgAという物質が1番多いのです。IgAは細菌やウイルスなどの侵入を防ぐ抗体で、このIgAの量が唾液の質を左右します。唾液中のIgAを増やすコツは、腸の免疫力をアップさせることが必要です。腸の免疫力をアップさせるには、牛乳やヨーグルトなどの乳製品、きのこ類、食物繊維が豊富なニラやネギ、お酢などがあげられます。しかしこれらの食品を今日食べて明日効果が出るものではありません。ヨーグルトなら1日1カップ、2か月食べ続けるとIgAの量が増えていきます。普段の食生活の改善が大切です。