最新!口トレ遊びベスト5!|いまもと歯科クリニック|奈良県葛城市の歯医者

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最新!口トレ遊びベスト5!

奈良県葛城市いまもと歯科クリニック歯科衛生士の永山です。

はじめに、最新!口トレ遊びベスト5!
〜子どもも大人も夢中に〜
ご存知ですか?口笛が吹けない子、ガムで風船を作れない子が多いこと。大人である私たちにとっては生活にとけこんだ遊びでした。でも、子どもを取り巻く環境は昔とは違い、お口を使う機会が減ってきています。じつは口遊びは、たかが"遊び"ではなく、機能アップをうやがす"トレーニング"。子どもから大人まで、楽しくできる「口トレ遊び」をご紹介します。
さっそく問題です!2歳の男の子が風船を吹いています。(写真1)なぜ、こんな大きな風船を作れるようになったのでしょうか?
答えは...
プロ野球チームのファンだったからです。
写真の男の子は、きっと家族の影響で、プロ野球を好きになったのでしょう。かつての子どもたちは、シャボン玉や風車、口笛などでよく遊んだもの。「あっかんべ〜」などの顔遊びもそのひとつです。毎日の遊びの中で、つまり子どもを取り巻く環境が、お口の機能を高めていくのです。

"口トレ"は、乳児期から。日常生活で。
このお子さんの表情どうですか?
ある男の子の1歳ごろの食事の様子。と〜っても表情ゆたかで、いきいきとしていますよね。手を使って楽しく食べています。
♢歯が生える前から口トレを
写真のお子さんは。まだ歯が生えていない時期から大きくて繊維質の多い食べ物を、いわゆる"歯固め"として使用していたそうです。歯固めというと、最近ではプラスチック製のものが多いようですが、昔は食べ物で代用していました。乾いたコンブや塩抜きしたたくあん、硬く乾燥した干しイモなど。身近にある食べ物を利用していたのです。
食べ物の歯固めには、当然、味がありますから、赤ちゃんは自分でお口に持っていき、唇や舌を使ってなめたりしゃぶったりします。これによってお口の機能をしっかり鍛えているのです。そして舌や唇を十分発達させたあとに歯が生え、それまでに身につけたお口の機能で噛むようになっていきます。
写真のお子さんの表情がいきいきと、しているのは、それまでの日常生活で培われた"口トレ"の賜物。子どもの笑顔は一生の財産になります。
♢だならいいんですー味がある歯固め&手づかみ食べ
①目と手と口の協調運動になる
赤ちゃんは、「目で見て」「手で持って」「口に入れる」ことを同時に行うどころか、手や口が自分の体の一部であることを認識していません。何かを見つけて手が触れて繰り返し口に持っていくことで、体を認識し、自由に同時に行えるようになっていきます。
②鼻呼吸になる
授乳中の赤ちゃんは鼻呼吸です。母乳やミルクを飲んでいるときは、口では息ができません。同じように自分で何かをなめたりしゃぶったりしているときも、鼻呼吸をしています。
③唇の閉じる力のアップ
唇でくわえますから、閉じる力が発達します。
④舌の力のアップ
味があるとチュパチュパと口や舌が動きます。それによって舌や唇こ力が発達します。
⑤飲み込む力のアップ
舌が動くと、お口の中には唾液がどんどん出てきます。すると唾液をごっくんの飲み込みます。何度も飲み込むことが嚥下のトレーニングになります。
⑥奥へ押し込まないことを学ぶ
繊維質が多く大きな塊の食べ物であれば、誤飲することはありませんり喉の奥で「おえっ!」となっても、自分の手で持っていればそれ以上押し込んではいけないという、赤ちゃん自身の学びにつながります。
♢ポチャッとしたほっぺにもワケがある!
生後まもない赤ちゃんには、母乳を飲むためにさまざまな特徴があります。頬にある脂肪もそのひとつです。赤ちゃんの頬は、ポチャッと丸みがありますね。らこれは、力のない赤ちゃんがわずかな舌の動きで安定して母乳が飲めるようにするためのものです。でも、母乳やミルクを飲んだり、歯固めでチュパチュパとお口を十分に動かしていると、一歳前には頬の脂肪は減って表情を作る筋肉が発達し、お顔もすっきりしていきます。
♢日常生活に取り入れよう!口トレ遊び
口トレは、楽しく気軽に日常生活でできること。だからおすすめは「遊び」。ここでは、「口トレ遊び」の効果や、おすすめな方法をみていきましょう。
①風船ガムの効果
「風船ガム」による年長児(幼稚園児48名)のお口機能アップ効果を調査した研究があります(小児歯科医師・徳永順一郎先生による)。風船ガムを噛み、風船をふくらませるという取り組みを月2回、約1年間続けました。開始当初は大きな風船サイズの風船をふくらませられる子どもはわずか6.3%で、風船を作れない子どもも多くいました。しかし1年後には、大きなサイズの風船を作れる子どもは41.6%にら。やる機会がなかっただけで、やればできることがわかりますね。この調査では、お口を閉じる力(平均)もアップしていました。
②あいうべ体操&風車まわしの効果
保育園児に、毎日「あいうべ体操」と「風車まわし」を、不定期で「吹きゴマ」や「ストロー射的」「フーフーサッカー」「スイカの種飛ばし」などを行ってもらいました。スタート時と5ヵ月後にピロピロ(吹き戻し)とロウソク吹き消しテストで比較したところ、お口の機能アップがみられました。
〜ロウソク吹き消しテストの結果(年長児)〜
いすに座って10cmと30cm離れたところにあるロウソクを吹き消せるかどうかをみたテストです。5ヵ月後、吹き消せない子どもはいませんでした。
〜ピロピロテストの結果(年長児)〜
レベル0、レベル1、レベル2の3種類のピロピロ(長息生活/ルピナス)を吹いてもらいました(レベルの数字が高いほど強度が強い)。スタート時、レベル2を吹けたのは1割にも満たなかったのが、5ヵ月後には6割が吹けるようになりました。

口トレ遊びによって、食べることが上手になったり、滑舌がよくなることも期待できます。

♢口トレ遊びおすすめその1  ピロピロ(吹き戻し)
昔からあるピロピロ(吹き戻し)。最近では美容や医療・介護現場向けだけでなく、アスリート向けのトレーニングツールとしても活用されています。おもちゃのピロピロとは違ってピロピロの伸びる部分にワイヤーが入っており、負荷がかかるようになっています。

ピロピロ使ったいろいろなゲーム
⚫︎ピロピロparty(株式会社ルピナス)
吹き戻しとデバイス(スマホやパソコン、タブレットなど)を使用した新感覚のトレーニングゲームです。
鼻から息を大きく吸って、画面に向かって吹き戻しを吹くゲームです。ピロピロの巻紙(伸びる部分)の先端にはICタクがついており、デバイスのカメラ部分がそれを読み取って反応するしくみです。先端をいろんな方向に動かしながら吹くことでお口のトレーニングになります。魚とりやボーリング、お絵かきなどのプログラムがあり、子どもからお年寄りまで楽しく続けられます。
⚫︎ピロピロティッシュつかみ
ティッシュペーパーを上に投げて、ピロピロでキャッチする、中澤桂一郎先生考案のゲームです。意外と難しいですよ!
⚫︎ピロピロボーリング
100円ショップで販売しているミニサイズのボーリングキットを使った遊びです。スコアをつけてみんなでやると楽しいです。

♢口トレ遊びおすすめその2  風船ガム
風船ガムで遊ばないなんてもったいないー楽しくておいしくて、しかも健康になれる!これも口トレ遊びにもってこいのツールです。
⚫︎キシリトールガム噛むトレ〈ビリビリサイコソーダ〉(株式会社ロッテ)
虫歯になりにくいキシリトール配合がおすすめです。
⚫︎ドラえもんフーセンガム(株式会社ロッテ)

じつは、歯医者さんでの専門的なトレーニングにガムを使っています。
舌は、本来上あごについているものなのですが、舌に力がないと、お口の中で舌が下がった状態になります(低位舌)。低位舌は、ポカンと開いたお口や口呼吸の原因になるだけでなく、歯並びなどにも悪影響を及ぼします。そのため歯科矯正治療の際は、歯を適切な位置に移動ふる治療と並行して、舌や唇、頬などのお口の周囲の筋肉を鍛えるトレーニングも行います。これを「口腔機能療法」“(MFT)と呼びます。低位舌の改善に効果的なMFTの1つに「ガムトレーニング」があります。よく噛んで丸めたガムを舌で上あごの前方に押し当ててから広げていくというものです。風船ガムを噛んだ時は、このトレーニングも一緒に行うと、よりお口の機能アップにつながります。
♢口トレ遊びおすすめその3  笑いヨガ
「笑い」は"体のジョギング"と言われ、30秒笑うだけで実際のジョギングと同じ効果があるそうです。しかも笑うだけで、脳は気持ちよいと感じるホルモンを分泌します。この笑いを応用したトレーニングが、高田佳子さん推奨の「笑いヨガ」です。笑いながらお口を大きく開けたり、舌を出すことで唾液もたくさんら出ますから、口トレとしても、全身の健康のためにも最適です。小顔や美肌効果も期待できますよ。毎日取り組みたい遊びです。
⚫︎ライオン笑い
①目と口を大きく開き、思いっきり舌を出します(体もライオン風に!)。
②そのまま「ハッハッハ!」と大笑いで息を出します。
⚫︎歯みがき笑い
①口を横に伸ばして「イッヒッヒッ」と笑いながら、歯ブラシを横に動かします。
②大きな口を開け、「ハッハッハ」と奥歯を磨きます。
③左右を繰り返します。
⚫︎うがい笑い
①口をふくらませ、できるだけ長く「ムグムグ」します。
②水を思いっきり遠くに飛ばすつもりで、「ブハッハッハー」と笑います。
⚫︎梅干し笑い
①世界一酸っぱい梅干しを食べることを想像します。
②酸っぱそうな顔をして「ハッハッハ」と笑います。

笑いヨガは、周りの笑いが伝染して楽しく行うことができます。ですので、大勢で行うのがよりおすすめです。

♢口トレ遊びおすすめその4  ゴム手袋風船
ゴム手袋、紙コップ、ストローを使った自作の風船をふくらます、という口トレ遊びです。材料はいずれも100円ショップで入手でき、簡単に作れます。しかもゴム手袋には好きな絵を描いたりして、楽しんで作ることができます。

〈作り方〉
①ゴム手袋、紙コップ、ストローを用意します。
②ゴム手袋に油性ペンで自由に絵を描きます。
③紙コップの下のほうに、ストローが入るぐらいの大きさの穴を開けます。
④紙コップにストローをとおし、空気がもれないようテープで止めます。
⑤ゴム手袋を紙コップの口にかけて完成です。

♢口トレ遊びおすすめその5  傘入れ袋風船
天気の悪い日に、店先においてある傘入れ袋。最近では100円ショップでも手に入ります。これに息を吐いて空気を入れるという口トレ遊びです。空気を入れたあとは、ねじってテープで止めればおもちゃとして大活躍!子どもたちは大喜びです。これを使ったチャンバラごっこも定番ですね。

♢ほかにもいろいろ口トレ遊び
(前ページまでに紹介したもの以外にも、口トレ遊びはたくさんあります。)
⚫︎ストロー魚釣り
紙で作った魚を、ストローを吸ってつります。
⚫︎ストロー射的
紙コップなどで作った的をストローを吹いて倒します。
⚫︎フーフーサッカー
紙を丸めたボールを吹き、机のゴールに入れます。
⚫︎スイカの種飛ばし
スイカの実と種を口の中で分け、種を遠くへ吹き飛ばします。最初はできなくても徐々に遠くへ飛ばせるようになります。
⚫︎あいうべ体操
子どもが知っている歌に合わせて、「あー」「いー」「うー」「ベー」と顔と口を大きく動かします。
⚫︎吹きゴマ
紙でコマを作り、息を吹きかけて回します。

最初は息がもれたり唾液が飛んでうまくできないかもしれませんが、次第に上手になっていきます。子どもたちは繰り返す中で、コツをつかんでいきます。いずれも友達と競い合えば、楽しさアップ!お口の機能も倍増です。

〜食べ物による窒息事故が起きないために〜
大変残念なことに、昨年も乳幼児が食べ物をのどに詰まらせて窒息する事故が起きました。食べ物による窒息事故が多数発生しています。消費者庁は事故防止策として、2015年におきたウズラやミニトマトによる窒息事故を機に、「小さく切って食べやすい大きさにする」「よく噛んで食べさせる」ことを推奨しています。ですが、この問題はお口に入れる食べ物の大きさで解決できるものではありません。口トレ遊びでお口の機能を鍛えることで予防につながるのではないでしょうか。

次に、ゼロからわかる虫歯の予防&治療
〜むし歯になりやすい人、なりにくい人〜
みなさんのお知り合いに、「一生懸命歯磨きをしているはずなのに、むし歯ができて治療を受けている」というかたはいらっしゃいませんか。その一方で、「それほど熱心に歯みがきしていないのに、なぜかむし歯ができない」というかた、いらっしゃらないでしょうか。むし歯になりやすい人と、なりにくい人は確かにいます。そしてもうひとつ、「歯みがきをしていればむし歯にならない」なんてことは決してありません。それは、むし歯の発生には多くの要因が関係しているからです。リスク要因と防御要因のバランスがむし歯になるかを決めます!

♢リスク要因:むし歯菌が多い
⚫︎お口の中にいるむし歯菌の量が多いほど、むし歯のリスクも上がります。歯に付着しているプラークは細菌の塊で、その中にいるむし歯菌が糖を含む炭水化物から酸をつくり、歯の成分が溶け出す脱灰を引き起こします。
⚫︎むし歯菌の量を減らすには、まずは歯みがきでプラークをしっかり落とすことです。歯ブラシだけでなくデンタルフロスも使いましょう。
♢リスク要因:ダラダラ食べ
⚫︎むし歯のリスクを上げないためには、「摂取する砂糖の量を少なくする」よりも、「飲食回数が増えすぎないようにする」ことが大切です。とくに「ダラダラ食べ」は、歯の成分が溶け出す脱灰の時間を増やしますので、極めて危険です。規則正しい食事が大事です。
〜むし歯になりやすい人〜
⚫︎フッ素を使っていない
⚫︎むし歯菌が多い
⚫︎ダラダラ食べ
⚫︎唾液量が少ない
⚫︎不十分な歯みがき
⚫︎歯科に定期受診していない
→脱灰

♢防御要因:歯科への定期受診
⚫︎歯科への定期受診は、むし歯などの発生予防や初期むし歯の進行抑制につながるだけでなく、毎日のセルフケアのモチベーションを高めてくれる効果があります。
♢防御要因:フッ素と歯みがき
⚫︎むし歯の予防には、フッ素の利用が何より重要です。毎日のセルフケアの際にフッ素配合の歯みがき剤を使用するのにくわえ、歯科の定期受診時に高濃度のフッ素を塗布してもらいましょう。歯質を強化し、細菌から歯を守ることができます。また、プラークを落とす適切な歯みがきのしかたも教えてもらいましょう。
♢防御要因:唾液量が多い
⚫︎唾液は、細菌が出した酸を中和したり、脱灰で溶け出した歯の成分を元に戻す働きがあります。むし歯になりやすい人の特徴として、唾液の分泌量が少ないことがあげられます。唾液量の少ない人は、よく噛んで食べるよう心がける、キシリトールガムを噛む、唾液腺マッサージをする、などがおすすめです。
〜むし歯になりにくい人〜
⚫︎フッ素を使っている
⚫︎むし歯菌が少ない
⚫︎適切な食生活
⚫︎唾液量が多い
⚫︎適切な歯みがき
⚫︎歯科に定期受診している
→再石灰化

〜飲食回数が多いほど脱灰が進む!〜
の図は、「飲食後のお口の中のpHの変化」を示した模式図です。糖や炭水化物を含む飲食物を摂取するたび、お口の中では、細菌の生み出す酸によりpHが低下します。一定のpHより低くなると、歯の成分が溶け出し、その後、時間をかけて成分が歯に戻っていきます。飲食の回数が多くなる=1日のなかで脱灰の時間が多くなるほど再石灰化の時間が短くなり、むし歯のリスクが上がります。