歯石取りだけではない?スケーリングとルートプレーニングの違いと通院回数|いまもと歯科クリニック|奈良県葛城市の歯医者

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歯石取りだけではない?スケーリングとルートプレーニングの違いと通院回数

歯石取りだけではない?スケーリングとルートプレーニングの違いと通院回数

検査で読み上げられた数字から、通院の見通しを立てる


歯周ポケットの検査中に読み上げられる「3、4、5……」という数字。その結果をもとに、歯石取りに加えてルートプレーニングを提案され、戸惑った方もいるでしょう。二つの処置は、器具を届かせる場所と目的が異なります。


この記事では、違いを表で整理したうえで、検査結果から方針が決まる流れ、通院回数や保険診療の費用が変わる要因、処置後の出血やしみる症状への対応を順に解説します。次の診察で「自分はどちらの処置が中心か」を尋ねられる状態を目指しましょう。


この記事の要点まとめ


  • スケーリングは歯石除去、ルートプレーニングは歯ぐきの下の歯根面を整える処置です。
  • 方針はポケットの深さに加え、出血や歯石の位置、歯の揺れなどから検討されます。
  • 通院回数や費用は処置範囲で異なります。処置後の症状や予定は医院へ相談しましょう。

処置する部位と目的で見る、スケーリングとルートプレーニングの違い

処置する部位と目的で見る、スケーリングとルートプレーニングの違い

スケーリングは歯石や付着物を取り除く処置、ルートプレーニングは歯ぐきの下にある歯根の表面を清掃しやすく整える処置です。どちらも歯周基本治療(歯周病治療の土台となる最初の段階)に含まれ、組み合わせて行われることが多くあります。


観点スケーリング(SC)ルートプレーニング
主な部位歯ぐきの上と下に付着した歯石歯ぐきの下にある歯根の表面
主な目的歯石や付着物を取り除く歯根面の汚れを除き、清掃しやすい状態に整える
用いる器具の例超音波器具・手用器具手用器具など

表は代表的な例です。器具の組み合わせや一度に処置する範囲は、歯石の量や歯ぐきの炎症によって変わります。


スケーリングは見える歯石だけを取る処置ではない


歯ぐきの上だけでなく、歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)の中に付いた歯石も対象です。ポケット内の歯石は黒っぽく硬いことが多く、鏡ではまず見えません。


歯石は、プラーク(細菌のかたまり)が唾液の成分で固まったもの。表面がざらつくため、新たなプラークが付きやすくなります。歯ぐきの下に潜む細菌の膜を取り除く処置については、光を用いる補助療法も検討されています1。


一方で、歯石になる前のプラークは歯ブラシで落とせます。処置で整えた状態を保てるかどうかは、毎日の歯磨きにかかっています。


ルートプレーニングは歯根の表面をどう整える?


歯根面に残った細かな歯石や細菌由来の汚れを除き、表面をなめらかにします。歯ぐきが落ち着きやすく、プラークが再び付きにくい環境をつくるのが目的です。


名前から「根を大きく削る」と想像されがちですが、必要以上に歯質を処置するものではありません。手用器具や超音波器具を状態に応じて使い分け、深い部位では麻酔を用いることもあります。糖尿病のある方を対象とした研究では、スケーリングとルートプレーニングが血糖管理や全身の炎症に与える影響が評価されています2。


歯科クリーニング・SC・SRPは同じ意味?


「歯科クリーニング」は日常的な呼び方で、予防の清掃から治療まで幅広く使われます。SCはスケーリングの略です。


ポイント

SRPはスケーリングとルートプレーニングを組み合わせた呼び方で、どちらか一方の略ではありません。


説明で「SRP」と聞いたら、歯ぐきの下の歯根面まで処置する計画かどうかを確認しておくと、通院の見通しを立てやすくなります。


歯周ポケットの検査結果と処置中の負担から考える治療方針

歯周ポケットの検査結果と処置中の負担から考える治療方針

処置の内容は、ポケットの深さだけで決まるわけではありません。検査時の出血、歯石の位置、歯の揺れを合わせて判断します。


ポケットの深さ・出血・歯石の位置をどう読み取る?


数値が大きい部位ほど、歯石や細菌がたまりやすい環境だと考えられます。ただ、同じ数値でも、測ったときに出血したか、歯石が歯ぐきの下にあるかで提案は変わります。


数値だけを見て自己判断せず、次の点を尋ねてみてください。


  • 数値が大きかったのはどの歯か
  • 出血したのはどの部位か
  • 歯石は歯ぐきの下にも付いていたか

この三つを確認し、スケーリングに何を加える計画なのか医師にご相談ください。


歯がグラグラして抜けそう・指で押すと動くときは?


歯の揺れには、歯を支える骨や歯ぐきの状態、噛み合わせの負担などが関わります。原因は診察で確かめる必要があります。


歯周病が進むと歯を支える組織が失われることがあります。歯ぐきの下の清掃が必要かは医師にご相談ください。気になっても指で何度も押して確かめるのは控えましょう。揺れが強まった場合は、処置予定日まで待ってよいか、医院に連絡して相談してください。


歯周病治療で麻酔を使う場合と、痛み・出血の伝え方


歯ぐきの下を処置する場合、局所麻酔を使うことがあります。刺激の感じ方は、炎症の程度や部位によって人それぞれです。


歯科処置の直後には、口の中の細菌が一時的に血液中に入ることが報告されています3。心臓の病気や糖尿病、血液をさらさらにする薬の服用などがあれば、事前に伝えておきましょう。


当院では、患者さんにお口の状態や治療内容をご理解いただけるよう、優しい言葉での丁寧な説明を心掛けています。痛みや出血への不安も、遠慮なくお聞かせください。


再検査後も深いポケットが残ったら歯を残す方法を相談


基本治療のあと、期間をおいて再検査(再評価)を行います。深いポケットが残った部位では、歯周外科治療を検討する流れになります。


歯石を取るだけで、失われた歯槽骨(歯を支える骨)が自然に元へ戻るとは限りません。再生療法は条件が合う部位で検討される選択肢の一つです。また、光を使う殺菌などの補助療法は、歯ぐきの下の清掃に加えて用いる治療法として検討されています1。


ポイント

歯を家にたとえると、歯ぐきや骨は土地です。土地を安定させる基本治療が先にあり、外科処置はその結果を見て考えます。


「その歯を残せるか」だけでなく「残した歯が噛む役割を担えるか」まで含めて考えたい、と院長は考えています。


通院回数・保険診療の費用・処置後の過ごし方を確認する


回数も費用も、処置する範囲と再検査の結果で変わります。処置後の症状は多くが一時的ですが、仕事中の食事や歯磨きに備えておくと役立ちます。


何回通う?処置する範囲と再検査で変わる予定


お口全体を一度に処置するか、上下左右などに分けるかで通院回数は変わります。歯石の量や麻酔の要否も関わり、数回に分けて進めることが一般的です。


さらに基本治療のあとには再検査が入るため、処置日と再検査日を含めた全体の予定を初診時に医師に尋ねておきましょう。平日の帰りが遅い方は、仕事の繁忙期と重ならない時期を相談しておくと予定を組み直しやすくなります。


保険診療の費用は何によって変わる?


歯周病の検査やスケーリング・ルートプレーニングは、一般に保険診療で行われます。自己負担額は、検査の種類、処置する歯の本数、通院回数、負担割合によって変わります。


インターネット上で見かける金額は一般的な目安であり、当院の費用ではありません。実際の費用は医療機関や治療計画によって異なるため、ご自身の計画に沿って医院へ確認してください。


外科処置の方法によっては、公的医療保険が適用されない自由診療になる場合もあります。たとえば、エナメルマトリックスタンパク質(歯ぐきや骨の回復を促すことを目的とした薬剤)を用いる歯周組織再生療法は、自由診療として行われることが一般的です。


  • 治療の内容:局所麻酔をして歯ぐきを開き、歯根面の歯石や汚れを取り除いたうえで、骨が失われた部分に薬剤を塗布して歯ぐきを縫い合わせます
  • 期間・回数:手術や抜糸、経過観察の予定は状態によって異なり、医師が判断します
  • 費用:手術前の検査や術後の管理を含めた費用については、医師にご相談ください

具体的な費用は、診察のうえで当院からご案内します。


主なリスク・副作用として、術後に感染症や出血、腫れなどが起こることがあります4。歯ぐきが下がって歯が長く見えたり、傷口が感染したりすることもあり、骨や歯ぐきの回復の程度には個人差があります。喫煙や糖尿病の状態、清掃の状況によっては、期待した回復が得られない場合もあります。費用とリスクの説明を受けてから判断しましょう。


処置後に血が出る・歯がしみるときの歯磨きと食事


処置後しばらくは、歯ぐきから少し血が出たり、冷たい物がしみたりすることがあります。腫れていた歯ぐきが引き締まり、歯根が出やすくなるためです。


毛のやわらかい歯ブラシで軽く当て、指示された方法で清掃を続けてください。職場での昼食は、熱すぎず冷たすぎない物を選ぶと過ごしやすくなります。歯磨きやフロス、咀嚼でも細菌が血液中に入ることが、低い頻度ながら報告されています3。そのことだけで口の外への影響は判断できません。


なお、磨きすぎで下がった歯ぐきは、磨き方を変えるだけで元に戻るとは限りません。症状が強い、長引くといった場合は医院に相談し、その後の定期的な管理へつなげましょう。


通院前に確認したいこと


いまもと歯科クリニックは、近鉄御所線「新庄駅」から徒歩7分の場所にあります。現在の診療時間はアクセスページでご確認ください。


予約の際は、次の三つを尋ねておくと計画が立てやすくなります。


  • 自分は歯石の除去が中心か、歯根面の処置も必要か
  • 何回に分けて、どの範囲から進めるか
  • 再検査では何を確認し、その結果で何が変わるか

検査結果の用紙が手元にあれば、次の受診時に持参し、数値の大きかった歯を指さしながら質問してみてください。


よくある質問


Q1. SRP(スケーリング・ルートプレーニング)とは何ですか?


A. 歯石を取り除くスケーリングと、歯ぐきの下の歯根表面を清掃しやすく整えるルートプレーニングを組み合わせた処置の呼び方です。歯周病治療の基本となる段階で行われます。


Q2. 歯周病治療で麻酔は使えますか?


A. 歯ぐきの下を処置する場合など、状態に応じて局所麻酔を使うことがあります。痛みへの不安や、持病・服薬の有無は事前に歯科医師へお伝えください。


Q3. 処置の当日や翌日も普段どおり仕事に行けますか?


A. 多くの場合は日常生活を送れますが、麻酔が切れるまでは食事を控えるなどの配慮が必要です。出血やしみる症状が強い場合は、無理をせず医院にご相談ください。


Q4. 溶けた歯槽骨は歯石取りで自然に戻りますか?


A. 歯石を取るだけで元に戻るとは限りません。再検査の結果によっては、歯周外科治療や再生療法を検討することがあります。適応は歯科医師が診察のうえで判断します。


Q5. 処置後に歯磨きで血が出ても、磨き続けてよいですか?


A. やわらかい歯ブラシで軽く当て、指示された方法で清掃を続けるのが基本です。出血が長く続く、量が多いといった場合は医院へ連絡してください。


参考文献


1. Jervøe-Storm PM, Bunke J, Worthington HV et al. Adjunctive antimicrobial photodynamic therapy for treating periodontal and peri-implant diseases. The Cochrane database of systematic reviews. 2024. PMID: 38994711 / DOI: 10.1002/14651858.CD011778.pub2

2. Baeza M, Morales A, Cisterna C et al. Effect of periodontal treatment in patients with periodontitis and diabetes: systematic review and meta-analysis. Journal of applied oral science. 2020. PMID: 31939522 / DOI: 10.1590/1678-7757-2019-0248

3. Martins CC, Lockhart PB, Firmino RT et al. Bacteremia following different oral procedures: Systematic review and meta-analysis. Oral diseases. 2024. PMID: 36750413 / DOI: 10.1111/odi.14531

4. 名古屋で歯周再生治療なら – 覚王山の歯医者なら 愛知学院大学歯学部附属病院. https://hospital.dent.agu.ac.jp/treatment/dental/perio-regeneration/


今本 裕紀

歯科医師


いまもと歯科クリニック

院長

今本 裕紀

▶ 監修者プロフィール

経歴
四天王寺中学校卒
四天王寺高校卒
大阪大学歯学部卒
勤務医を経て
2010年「いまもと歯科クリニック」を奈良県 葛城市北花内にて開院
資格・所属学会
日本歯周病学会認定医
インプラントメーカーインストラクター
IDIAドミニカインプラント、サイナスリフト実習セミナー 受講
Botis人工骨、BGR(骨再生誘導)セミナーinシンガポール 受講
CGF(完全自己血由来フィブリンゲル)セミナー 受講
マイクロサージェリーインプラント・歯肉移植、実習コースセミナー 受講
牛ぐぼエンドアドバンスコース 受講
石井エンド 受講
JIADS 受講
SJCD 受講
JIPI 受講
JPI 受講


記事監修者

いまもと歯科クリニック歯科医師 今本裕紀

【経歴】

  • 四天王寺中学校卒
  • 四天王寺高校卒
  • 大阪大学歯学部卒
  • 勤務医を経て2010年「いまもと歯科クリニック」を
    奈良県 葛城市北花内にて開院

いまもと歯科クリニックでは、むし歯や歯周病などの治療はもちろん、インプラントや分子栄養療法といった治療まで幅広く対応しています。お口の健康と心からの笑顔を地域のみなさんに届けできるよう、最善を尽くしております。

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