根面カバーは露出した歯の根元を覆うことが可能です。今回は根面カバ-の見た目をよくするだけではない利点を紹介します。
歯はあごの骨(歯槽骨)とその上にある歯茎でささえられています。歯茎がさがって根面が露出しているというのはつまり、その部分では歯を支える組織がすくなくなっているということです。そこを移植した歯茎で覆って厚くするということは、見た目だけだはなくその歯をこれからながくもたせるという点でとても効果的です。というのは、覆うことで歯茎が厚くなった分、歯茎の抵抗性が高まるのです。第2に知覚過敏の抑制に繋がるとい点があります。歯茎が下がって象牙質がむき出しになると、知覚過敏の起こる可能性は高くなります。これは、歯の根面の象牙質には目に見えないパイプ状の穴が開いており、この穴から歯の神経へと外部からの刺激が伝わるのです。根面をカバーすることで象牙室の露出を減らすので結果として知覚過敏の抑制も期待できるのです。そして第三に、根面虫歯の予防という利点があります。
歯ぐきが下がるもともとの原因には歯の位置関係、歯茎やあごの骨が厚い・薄い、強い力での歯磨き、かむ力の激しさ、歯周病です。歯の位置関係ですがくちびる側に飛び出している歯は歯ぐきが薄くなります。強い力で長期間歯磨きすることでも歯ぐきは下がっていきますので優しくハミガキするようにしましょう。歯周病で歯ぐきが下がった場合は根面カバーの対象外になることもあります。象牙質は歯冠部を覆うエナメル質より酸に弱く、細菌の出す酸や飲食物の酸で溶けやすいのですが、移植した歯茎でカバーすることでそれらの影響を軽減できます。根面カバーの治療法ですが、根面カバーは部分的に下がってしまった歯茎に別の場所の歯茎を採取してきたり、隣の歯茎から移動さてきたりして、露出した根面を覆います。外科治療になりますので、治療終了までに来院回数や時間は少々かかります。下がった歯茎が気になっておられる方は一度ご相談にいらしてください。

記事監修者
いまもと歯科クリニック歯科医師 今本裕紀
【経歴】
- 四天王寺中学校卒
- 四天王寺高校卒
- 大阪大学歯学部卒
- 勤務医を経て2010年「いまもと歯科クリニック」を
奈良県 葛城市北花内にて開院
いまもと歯科クリニックでは、むし歯や歯周病などの治療はもちろん、インプラントや分子栄養療法といった治療まで幅広く対応しています。お口の健康と心からの笑顔を地域のみなさんに届けできるよう、最善を尽くしております。
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